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モニターの向こう側 [インターネット]

よくネットに潜む危険、などということが仰々しく旧メディア側から書き立てられることがあります。……といっても、ライブドアv.sフジテレビの問題について語ろうというのではありません。というか、語るほど問題点を把握していないもので……。

今回考えたことは、ネット社会と現実社会は乖離しているか、ということなのです。
インターネットが汎用化された当初は、パソコンから世界中の情報にアクセスできる夢の世界などと謳われていましたが、実際には例えばブラジルのコーヒー農園の情報が知りたくてアクセスしたサイトが、ポルトガル語オンリーだったりすると、ポルトガル語が分からなければ事実上ブロックアウトされてしまうようなものです。世界につながる前に言葉の壁に阻まれた、というわけです。

また、掲示板を掲げているサイトで見かけるのが、常連さんシンドロームともいうべき現象です。常連さんの書き込みにしかレスしないことで新参者を排除する。彼らはなにも意図的にやっているのではないと思うし、排除されたと感じたニューカマーが極度に被害妄想が強い場合もあります。常連さんにしてみれば、どこの誰ともわからない新参者に慎重になるのも無理はないでしょうし(極端はいけませんが)、新参者は新参者で受け入れられないことへの不満を抱くのも仕方のないことではあります。

このように、程度の差こそあれ「世界の架け橋」的なインターネット上で疎外感を感じることはままありますが、これらはネットを離れた現実社会では今までもごく普通にありえる話です。

犯罪にしてもそうです。ネットを利用して詐欺的な手法で利用者から金銭をだまし取る輩と、ネットとは無関係に電話を利用して「振り込め詐欺」を働く輩は、同じ現実社会に生きている人間なのです。(「振り込め詐欺」を統括的に行っている場合、管理の一端としてネットを利用していることはあるでしょうけど、この場合、騙される側がネットを利用しているかどうかということです。)

わたしの周りにストーカー被害にあった友人が3人もいます。うち一人は裁判沙汰にまで発展し、加害者の男にその友人に近寄らないように勧告がくだされたほど深刻でした。3人とも加害者のストーカーは顔見知りだったといいます。(ちなみにうち一人は男性でストーカーが女性でした)
ストーカーという言葉が使われ始めた頃は、ストーカーの大半が身近な人間だと言われていました。ところが、ネットが普及し始めると見知らぬ人に付けねらわれる被害も出ているようです。

大流行「ブログ」でストーカーに狙われる

ですが、これも自分の個人情報をこれでもかと公開していたツケではないでしょうか。以前大阪で一人暮らしの女性の部屋に押し入って強姦を繰り返していた男が捕まりましたが、被害者の女性の大半が施錠をしていなかったそうです。また、同じマンションの住人を装ってドアを開けさせる手口などが明らかになりましたが、たしかに巨大な集合住宅の場合、住人全てを把握することは無理でしょう。だからこそ、慎重になるべきなのです。
わたしも集合住宅に住んでいますが、自治会の役員をしたこともあって同じ棟の住人の方のことはだいたい把握していますので、訪問されても名乗っていただければ誰なのか分かるからこそ平気でドアを開けますが、宅配便や郵便配達等はドアを開ける前に、最低限送り主が誰であるかを聞きます。一人暮らしでなくてもこれくらいは注意すべきと考える人間とそうでない人間とでは、犯罪に巻き込まれる確率はかなり違うのではないでしょうか。

件のストーカー被害に遭った3人も、わたしから見れば隙だらけだと言うほかありませんでした。つまり、どれだけ自衛が出来ているかが肝心なのであり、一概にネットだから危険、というのは当たらないと思うのです。

また、ネットが子供に与える影響を危惧する声もあります。これなどもいわゆる「有害図書」と同じでどんなに子供の目につかないようにしたところで、子供が触れてしまう可能性を0にはできません。ある程度規制は必要でしょうが、それより親が子供の行動を把握し、教育することの方が重要な気がするのです。たとえ「有害物」に接しても、それに対抗できる知恵と勇気を与える教育がなされていれば問題は小さくて済むと思います。

さらにネット依存も危険視されています。いつでもどこでもつながっていないと落ち着かない、携帯電話のアドレス帳に三桁もの登録があるのが普通というように、できるだけ多くの他者とのつながりを確認できなければ不安になるという人間が増えているそうです。
最近ではmixiというコミュニティシステムを利用して、自分の属するコミュニティの人間とのつながりを重要視するあまり、普通の生活が出来なくなる人もいるそうなのです。(mixiに気をつけろ!参照)
わたしはmixiなるものについて全く知りませんが、先に書いたようにこれは携帯電話というもっと身近なツールを中心にとっくに存在する現象です。依存する人間は依存するし、そうでない人間はそうならない。この原則は変わらないと思うのです。

君子、危うきに近寄らず。依存しそうだと思ったら近づかなければよいのですが、そこは君子ではない身の悲しさ。ついうっかり足を踏み入れてしまうこともあるでしょう。ですが、普段から自衛の心得があれば、最悪の事態は防げるのではないでしょうか。

ネットやそれに付随するさまざまなシステムを一概に危険視することの方が、問題の焦点がぼやけて危険だと思うのですが、Yomiuri Weeklyさんに吉村さん。

その他、参考にした記事
 ネットも世界もリスクゼロなんてあるわけない。ってミクシィの話な。


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acoyo

TBありがとうございます。
というか理路整然とした文章に、我が身が恥ずかしくなりました(笑)。
自己責任と言う言葉が無闇に振り回されるかと思えば、
不注意という言葉は軽視されている、何かおかしいなと思います。
考えされられました。

ところで、前記事にもカテゴリーにもガンダムがあり、嬉しくなっております。わたくしも同居人経由で遅くはまったひとりです。Gガンダムはファーストに並ぶ傑作と思っております。だもので、日曜はガンダムの記事と決めておりますのですが、最近ネタが尽き気味で(笑)。
また伺わせていただきます。よろしければまたお越しくださいませ。
by acoyo (2005-04-08 20:21) 

鳴尾浜小町

acoyoさま、こちらこそ上のような考えをまとめる機会を作っていただいて、感謝しております。

そうですか、Gガン好きですか! 是非「ガンダム好きへの100の質問」使ってください。なかなか楽しいですよ。
それから「鳴尾浜小町」というHNは、あの球団にちなんでつけたものです。(笑)そこに反応していただけると無性に嬉しいです。

もちろんまた伺うつもりです。これからもよろしくお願いします。
by 鳴尾浜小町 (2005-04-08 22:13) 

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